虱の記

高熱量低脂質。

Neurosis × Converge ライブレポート

スマホのメモに残っていたので、なくならないうちにここに載せておく。二日間の東京のうちの1日目。2日目も行ったけど、こちらはレポを書いていない。(2019/05/18記)

 

Converge

 

バカ上手い。音良い。ノれるの三拍子揃った。

ベン・コラーの代理できた筋肉黒人も、2週間で仕上げたとは思えないうまさ。ポテンシャルが高いんだろうな。時々ギターが聞こえづらい時があったような気もするけども、そんなことは気にならないくらい、全体として素晴らしかった。

ジェイコブはモーターヘッドのシャツにジーパンという80'sメタルヘッドのような出で立ち。長身痩躯で首までびっしりのタトゥー、自信満々のパフォーマンスでカリスマが光る。彼が静かに手を広げるだけで客が盛り上がる。客席と距離があったので、いつものように歌わせてる姿が見られなかったのはちょっと残念。

カートは安定感のある、職人のようなプレイング。コーラスがうまいんだよね。ニューロシスのスコットとちょっと声が似てる。

ネイトは遠目であまり見えず。でもいつも同じで、タンクトップ、野獣のようなコーラスが響いてきた。

ユライアンは四肢とスティックが太くて笑っちゃった。でも動きは機敏でめちゃくちゃうまい。カートの顔見ながらときどき不安そうにプレイしているように見えた(笑)

 


セトリについては予習不足感は否めない(前もって見てたのに)。Concuvineでself-deconstructionの人が出てきてお祭り騒ぎ。はじめてまともにモッシュした。

 


Neurosis

 

掛け値無しに、今まで見てきた全ライブのなかで1番よかった。何がよいのかといえば、第一に音、第二に音、第三にムード、第四に曲。

驚いたのが、CD音源と同じ音が鳴っていたこと。後ろでなっているSEもノアの手によって再現されていた。しかし、決してCDの完コピというわけではない。言うなれば、「音源が質量を得て飛んでくる」という感覚。いまのところ、これ以上の形容は思い浮かばない。ビリビリと体に響いてくる爆音は、耳に痛いということもなく(現にほぼ最前だったのに耳鳴りも残っていない)、圧倒的な征服力で体を貫く。

ニューロシスはライブバンドだったのだ!これは大きな発見だ。

 


1時間半きっかりで収めてきたが、その間、MCは一切無し。マジで一言も話さない。それがまた、空気作りに大きく寄与している。彼らとは空間を共にしているようで、はるか向こうにいるような感覚さえあった。神々しさはあそこからも滲み出ていたのだと思う。

 

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(ここから後日記)

 

二日目の衝撃は、"You Failed Me"の再現よりも何よりも、Neurosisが"Stones from the Sky"をプレイしたことだ。我が人生のベストチューンのうちの1つ。

鐘の音に誘われてNeurosisの暗澹たる世界に導かれる。すると単純で単調なリフがどこからか聴こえてきて、それが延々と繰り返される中、Scottの慟哭のようなボーカルが鳴り響く。静寂が訪れたかと思えば、再び音の奔流が我々を飲み込む。そして最後には、ノイズと共にぷつりと音像が途切れ、聞き手は置き去りにされてしまう。完璧な構成だ。Neurosisの音楽は視覚的触覚的ですらあり、もはやそれは一つの体験と呼ぶにふさわしい。

アルバムの中での位置付けもそうであるように、この曲はライブの最後にプレイされた。ノアが曲間でMIDIパッド用のスティックをとったので、もしや…とは思ったが。

終演後、Neurosisの暴虐が去り、我々はやっぱり置き去りにされた。素晴らしい音楽体験であったと思う。余韻がはんぱなかった。