ノマドとは、遊牧民や放浪者を意味する英単語だ。遡ると、フランス語に行き着き、さらに遡ればラテン語、さらにさらに遡るとギリシャ語のノモスに関連する言葉(nemein)に行き着くそうだ。ノマドという言葉の受容史までは文献に当たらないとわからないが、…
以下あらすじ。冒頭のみ。 100年くらい前のアメリカ西部・モンタナが舞台の物語である。 牧場主のバーバンク兄弟は、大卒インテリなのに荒々しくマッチョ思想な兄のフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)と落第して出来は悪そうだが物腰柔らかの弟のジ…
ケビン・コスナーとウディ・ハレルソンのダブル主演による、ある種のロードムービー。 "ボニーとクライド"といえば、人口膾炙と言っても過言ではないほどに著名な、実在の犯罪者カップルである。その生き様はあらゆるフィクションで引用されていることは誰で…
ジョージ・クルーニーの宇宙モノというと、キュアロン監督作Gravityを思い出す。それは置いておいて。 人生を投げうって人類の新天地を探した男は、突如終焉を迎えた地球から、新天地を調査して戻る宇宙船員たちを救おうとした。誰かを救いたかったと男は言…
「僕は麻薬をやったことがないことがコンプレックスなんだ」というのは友人Jが初デートで必ず使う決まり文句らしい。そのワードパワーにはじめて聞いた時は笑い転げたものだけれど、考えてみればなかなかどうして理にかなった文言なのかもしれない。だって、…
この映画に関しては、2つの側面から思うところがあった。まずひとつは、以下に続く本作における「ジョーカー」の新奇さだ。 このジョーカーは、我々のよく知っているジョーカーではない。 かつてのオリジンに近いジョーカーは、様々な不幸や災難から発狂して…
『ゲット・アウト』で一気にスターダムへとのしあがった、ジョナサン・ピール監督の新作。 実は見ていない前作も黒人青年が不条理かつ非合理な窮地に陥るという映画だった(と聞いている)けれども、今作も中心となるのは黒人の一家。 <あらすじ> 主人公であ…
ふと思ったのは、時期によって日記に書こうと思えることが増減することだ。 このはてなブログを開設した当時は様々にネタが思いついて、そのときの萌芽が下書きに大量に残されている(いや、書き終えろよ)。 ただ、日常のエピソード性の強弱はそこまで波のあ…
自分語りが嫌い、という話。 ネットで自分語りを見かけ、ひとりイライラしていてふと我に帰る。なんで俺、こんなことにキレてんだよと。 考えてみれば「自分語り」そのものが嫌いなわけではなくて、面と向かって人の話を聞くのは大好きだし、それが波乱万丈…
こちら、2014年9月15日の自身のmixi日記を発掘したもの。 5年前の僕が書いた文章、今よりこなれてる気がする。書くのが下手になったかな? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 町内の回覧版で訃報が届…
駅から職場まで歩いている途中、凄い人を見た。 はじめに僕の意識に入り込んできたときは、その人は少し先のほうにいたので、何か特別な思いは抱かなかった。この時期だし、リクルートスーツを着た女性が街を歩いていることには何の不思議もない。ただし、明…
近ごろ、日本再発見系の番組、多くないですか。 自分がテレビを見てきた歴史は(といっても最近は見なくなったが)30年にも満たないので、流行り廃りを俯瞰してみるには知識も経験も足りない。あくまで自分の感覚として、だけれども、10年前はクイズがやたら…
スマホのメモに残っていたので、なくならないうちにここに載せておく。二日間の東京のうちの1日目。2日目も行ったけど、こちらはレポを書いていない。(2019/05/18記) Converge バカ上手い。音良い。ノれるの三拍子揃った。 ベン・コラーの代理できた筋肉黒…
最近の子どもは、無気力だ、無感動だという文章を読んだ。ワタクシはもう子どもと呼ばれるような年齢ではないものの、その文章のなかで「子ども」と呼ばれるような世代の人間であるわけで、思い当たる節もあったりして、ちょっと耳が痛いような思いがした。…
確信しているが、この10年でインターネットはつまらなくなった。あるいは以前のとおりの楽しみ方はできなくなった。2ch(お家騒動が起きていたなぁ)や個人ブログを巡回して泣いたり笑ったりした時代は過去のものとなってしまったのだ。 理由はカンタン。ネッ…
とてもよかった。面白かった。 曰く、「自分の殻にこもった」ことで妻に出ていかれた男が、新開発されたOS(AI)と恋に落ちる……っていうあらすじだけ聴くと、ナードやギーク、もしくはオタクが主人公の映画という気がしてしまうが、そういうわけでもない。だっ…
小気味よいユーモアにあふれ、笑みをこぼしながら見ることができる良作。 「インテリ黒人と粗野な白人」のコントラストが、レイシズムを生み出した背景にあったであろう「文明と野蛮」の二項対立と対照を成しているように見えた。 ドクの影響でトニーは差別…
仕事に全てを捧げる男、もしくは家族を顧みない男・アールは、ネットの利便性に押しつぶされ、事業に失敗して全てを失った。 とはいえ、彼には仕事しかなかったので、言い方を変えれば失業しただけにすぎない。くだらん、と吐き捨てたネットに負けた。 はじ…
20年以上世話になった歯医者さんが、60手前でぽっくり逝ってしまった。詳しい病状は院関係者にも多くを語らなかったらしい。だからどんな病魔に冒されていたのか、いまとなってはわかりようがない。最終的には肺から、ということであった。 まさに「肝っ玉母…
友人B氏がそのまた友人の結婚式に行ったらしい。 式自体がどうであったか彼は話さなかったが、いまどきあらゆる式と名のつくものは均質化されていて、毛ほども面白くないのだから聞かなくてよかったと思う。 とまれ、Bはそこで元カノと呼ばれる類の女に出会…
ふと思ったのだけれど、most つまらない(=worst おもしろい)のは次のうちどの人間か。 ・ただただつまらない人 ・自分をおもしろいと疑わないつまらない人 ・自分はつまらないと言いつつ、実はちょっとおもしろいだろと思ってるつまらない人 一人目はちょ…